エンジニアが転職を「本気で考え始めた」瞬間の話 — 小さな違和感が積み重なるまで
転職を考え始めたきっかけを聞かれると、正直答えに困ります。
ドラマみたいに「この瞬間に決めた」というのはなかった。フルリモートが認められなかったこと、やりたい技術が3年経っても触れなかったこと、頑張っても評価されなかったこと。そういう小さな違和感がじわじわ積み重なって、ある出来事が「止めの一手」になった。
そんな話を書きます。
最初の違和感は「フルリモートができない」だった
コロナ禍でリモートワークが広がって、エンジニアとしては「家でも普通に仕事ができる」と実感しました。パソコンさえあれば問題ない。でも会社は週3出社のハイブリッドに落ち着いた。
理由を聞くと、実機を触る必要がある職種に合わせた形だと。それはそうかもしれない。でも、自分の仕事はPCだけあれば完結する。そういう人まで一律で週3出社にする意味が、自分にはどうしても理解できませんでした。
上司に「フルリモートにはできないか」と聞いてみました。答えは「うちでは難しい」。
そのとき初めて、「じゃあ別の会社を考えた方がいいのかもしれない」と思いました。漠然とした、本当に小さな気づきでした。
「フルスタックになりたい」と言い続けて、3年経っていた
キャリアについて上司と話す機会がありました。「10年後どうなっていたいか」を書くシートがあって、そこにフルスタックエンジニアになりたいと書いた。バックエンドだけでなく、フロントエンドもインフラも、一人で設計から運用まで関われるようになりたいと。
その希望を伝え続けて、3年が経ちました。
フロントエンドを触る機会はほとんどなかった。組織の構造上、フロントエンドは別チームが担当していて、自分たちが入る余地がほとんどない。ユーザーが実際に触れる画面を作るという経験が、どうしても得られなかった。
キャリアの話を聞いてくれること自体はありがたかった。でも聞いてくれるだけで、実現に近づいているという実感がなかった。毎年同じことを書いて、毎年「なるほど」と言われて、また1年が過ぎていく。
「このまま5年後も同じ状況にいるのか」という感覚が、少しずつはっきりしてきました。
頑張っても報われないことが重なった
チームで相当無茶なプロジェクトを抱えたことがありました。理不尽な状況の中で、みんなで本当に頑張って立て直した。自分なりにやれることはやったと思っていました。
でも評価はほとんど変わらなかった。
怒りというより、「ああ、そういうものか」という感覚でした。頑張ることと報われることが、ここでは必ずしもつながらない。それを受け入れてしまったとき、少し何かが変わった気がしました。
止めの一手になった出来事
フルスタックになりたいと言い続けていたある時期、社内の資格取得研修を受けるよう言われました。エンジニアとしてのスキルとは直接関係のない内容でした。
受けてみると、思ったより悪くはなかった。ただ、「これは自分のキャリアに必要なものか」と問われると、正直違う。
そのとき思ったのは、「キャリアの方向性を聞いてくれているのに、アサインされるのは全然違うものだ」ということでした。聞いてくれることと、それが実現されることは別の話だと、改めて実感した瞬間でした。
そこから、転職活動を本格的に始めようと思いました。最初は「とりあえず見てみる」くらいの温度感でしたが。
やってみたら、思ったより求人があった
エージェントに登録して、求人を見始めたとき、少し驚きました。
フルリモートで、自分のスキルセットが活かせる求人が、思っていたより全然多かった。複数のエージェントを合わせると、50件以上は出てきた。「選べる立場にある」という感覚は、それまで全くなかったので、これは想定外でした。
「市場に通用するかどうか」を心配していたのが、「どこを選ぶか」という話になるまで、そんなに時間はかかりませんでした。
アラフォーで、人生は一度きりで、独り身だから身動きが取れないわけでもない。凜ちゃんをそばで見ていられる働き方にしたい。そういう気持ちも重なって、「やってみよう」という感覚に変わりました。
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振り返って思うこと
転職のタイミングは、「この瞬間」というより、小さな違和感の積み重ねで決まるものだと感じています。
フルリモートができなかったこと。3年言い続けたキャリアが実現しなかったこと。頑張っても評価されないことが重なったこと。それぞれは単独では「転職理由」になりにくい。でも全部が重なって、最後に「止めの一手」があった。
そして、実際にエージェントに登録してみて「求人がある」とわかったことが、気持ちを本物にした。不安だから動けないのではなく、動いてみて初めて不安が消える、という順番でした。
もし今、似たような違和感が積み重なっているなら、まずエージェントに登録して求人を見てみることをおすすめします。「転職すると決める」必要はなくて、「市場を知る」だけでいい。それだけで、見え方がかなり変わります。
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この記事は2026年4月時点の情報を元に執筆しています。
