内定を承諾したら、転職活動は終わり。
そう思いたくなりますが、実際にはまだやることが残っています。現職へ退職の意思を伝える。引き継ぎをする。有休をどう使うか決める。入社手続きの書類を出す。入社日までの時間をどう使うか考える。
私の場合、内定承諾の時点で何も考えていなかったわけではありません。事前にエージェントにも相談していましたし、現職の就業規則も見ていました。
ただ、それでも退職を実際に伝えるのは初めてでした。上司にどう切り出すか、チームへの発表はいつになるのか、引き継ぎは間に合うのか。内定が出るまでとは別の緊張感がありました。
この記事では、4社から内定が出て、最後は2社で迷った話の続きとして、内定承諾から退職交渉・引き継ぎ・有休消化・入社前の過ごし方まで、実際にやったことを書きます。
まず決めたのは、入社日と退職までの余裕
最初に確認したのは、入社日をいつにするかでした。
最初は「1ヶ月後くらいでもいけるのでは」と思っていました。ただ、実際に考えてみるとかなりきつい。内定承諾の時期は3月に差しかかっていて、そこから現職に退職を伝え、引き継ぎをして、有休も消化するとなると、4月入社はかなりタイトでした。
就業規則も確認しました。私の会社では、退職の申し出は1ヶ月前までに行うルールでした。なので、3月頭に伝えれば4月頭に辞めること自体はルール上できるかもしれません。
でも、ルール上できることと、現実的に無理なく進められることは別です。
自分が持っている業務量、引き継ぎに必要な時間、有休消化の期間を考えると、翌月入社は余裕がない。さらに次の月でも少しギリギリに感じました。最終的に、私はそこからもう少し余裕を持った入社日にしました。
3月の頭に上司へ伝え、4月に引き継ぎを進め、5月は有休消化に充てる。そう考えると、6月入社が一番安定していると思いました。
有休消化も含めて逆算する
有休を消化するかどうかは、私は迷いませんでした。
有休は権利です。引き継ぎをきちんと終わらせることは大事ですが、有休を使う前提で退職日・最終出社日・入社日を決めた方がいいと思います。
私の場合、3月に有休が増えたこともあり、5月にまとまって休みを取りました。別で退職した同僚に話を聞くと、有休を消化しきれなかった人もいました。せっかくの権利なので、できるだけ使い切れるように早めに日程を組んでおいた方がいいです。
転職先にも、入社日はある程度調整できることがあります。もちろん会社によりますが、入社日を相談すること自体は普通のことです。私はエージェントにも相談しながら、余裕を持った日程にしました。
退職交渉は、決定事項として伝えた
退職を伝えるのは、やはり気が重かったです。
裏切り者だと思われる、とまでは考えていませんでした。ただ、何を言われるのか、面倒なことにならないか、変な空気にならないかは気になっていました。
直属の上司に「一度お時間をいただけますか」と声をかけて、1対1で話す場を作りました。普段、改まって対面の会議を設定することはほとんどなかったので、上司はその時点で「そういう話だろうな」と察していたようです。
そこで伝えたのは、「転職することを決めました」ということです。
「転職を検討しています」ではありません。すでに内定を承諾していて、次の入社日も決まっていると伝えました。退職するかどうかを相談する場ではなく、退職に向けてどう調整するかを相談する場にしたかったからです。
上司からは、なぜ転職するのか、今の会社では難しかったのか、思い直す余地はないのか、といったことは聞かれました。ただ、強い引き止めという感じではありませんでした。
結果的には、思っていたよりずっと普通に話せました。
日頃の関係性も大事だと思った
私のケースでは、退職交渉は比較的スムーズでした。ただ、これは会社や上司との関係性によって変わると思います。
普段から関係が悪かったり、かなり強く引き止められる職場だったりすると、もっと大変かもしれません。退職代行のような選択肢があることも知っています。
ただ、私の場合は、今までお世話になった会社に対して、最後は自分でちゃんと話したいと思いました。今後どこかでまた関わる可能性もありますし、実際に会社からは、退職後に戻ってくる人向けの窓口のようなものも案内されました。
辞めるからといって、関係を雑に切る必要はない。できる範囲で誠実に進める方が、自分の気持ちとしても楽でした。
チームへの発表は、自分の思い通りには進まないこともある
退職を早めに伝えた理由のひとつは、チームへの影響を減らしたかったからです。
私の場合、もともと社内で別チームへ移る予定もありました。転職しない場合は、その異動に向けた準備も進む可能性がありました。でも実際には退職するので、自分に関するコストをなるべく無駄にしたくないという気持ちがありました。
ただ、会社側の都合もあります。私は早めに伝えましたが、チームへの正式な発表はしばらく後まで待つことになりました。
これは自分だけではコントロールできません。早めに伝えても、社内の発表タイミングは会社側の判断になることがあります。
だからこそ、ギリギリにしない方がいいと思いました。何かが1〜2週間ずれるだけでも、引き継ぎや有休消化に影響します。退職交渉がスムーズでも、発表や調整に時間がかかることはあります。
引き継ぎは「自分がいなくても回る状態」を目指した
退職が決まったら、次は引き継ぎです。
私の場合、退職前から別チームへ移る予定があったこともあり、ある程度は業務の引き継ぎが進んでいました。その意味では、ゼロから全部やる状態ではありませんでした。
それでも、退職する以上、自分がいなくても業務が回る状態に近づける必要があります。
引き継ぎで意識したのは、次のようなことです。
- 担当業務を洗い出す
- 引き継ぎ項目をタスクリスト化する
- それぞれの引き継ぎにどれくらい時間がかかるか見積もる
- 完了・未完了が分かる状態にして上司にも見えるようにする
- 手順や判断基準をドキュメントに残す
- 口頭でしか共有されていなかった情報をできるだけ書き出す
- 引き継ぎ先の人に何度もレビューしてもらう
特に意識したのは、「自分が引き継がれたときに困ったことを、次の人には残さない」ことでした。
以前、自分がある業務を引き継いだとき、十分な説明やレクチャーがなくて不満に思ったことがありました。自分が同じことをしてしまったら、結局同じ種類の負担を次の人に渡すだけです。
だから、完璧にはできなくても、なるべく不明点を潰す。引き継ぎ先の人に「これで大丈夫そうですか」「他に不安な点はありますか」と確認する。必要なら、業務そのものだけでなく、周辺の課題もリストにして上司に渡す。
引き継ぎ先が上司に直接言いづらいこともあるかもしれません。そういう課題があれば、自分がいる間に拾って、できるだけ上司にも共有しておくようにしました。
引き継ぎをきちんとやっておくと、後ろめたさが減ります。自分の中で「ここまでやったなら大丈夫だろう」と思える状態まで持っていけると、安心して次に進みやすくなります。
有休消化は、休むためだけでなく次へ整える時間だった
5月は、まとまって有休を取りました。
有休消化中に何をするかは人それぞれだと思います。私の場合、入社準備だけをしていたわけではありません。
やったことは、大きく分けるとこのあたりです。
- 入社手続きの書類準備
- 住民票など必要書類の取得
- 転職先の技術スタックのキャッチアップ
- 転職先で使いそうな技術や業務領域の予習
- 転職先のプロダクトや公開情報の確認
- 両親のサポート
- 旅行やグルメ
- 個人事業の作業
- AIの勉強
- 凜ちゃんと過ごす時間を増やす
大人になってから、1ヶ月近くまとまって休める機会はなかなかありません。
もちろん、新しい会社に向けた準備は大事です。技術スタックを少し見ておく、入社手続きを滞りなく進める、会社のプロダクトに触れておく。そういう準備をしておくと、入社初日の不安は減ります。
ただ、それだけで埋め尽くす必要もないと思いました。
親の様子を見に行く。行ったことのない県に行って、おいしいものを食べる。猫と一緒に過ごす。自分の事業や勉強に時間を使う。次の会社が始まったら、しばらくはここまで自由な時間は取れません。
転職の合間の時間は、次の会社のためだけでなく、自分の人生のためにも使っていいと思います。
退職日と入社日は連続させた
私は退職日と入社日を連続させて、社会保険などの空白が出ないようにしました。
退職日と入社日の間に空白を作る場合は、健康保険や年金などの手続きが必要になることがあります。私自身は大きな空白を作らなかったので詳しくは扱いませんが、入社日を決めるときには確認しておいた方がいいです。
エージェントとは、内定後も良い関係を続けた
転職エージェントは、内定が出たら終わりではありませんでした。
退職交渉のタイミングを相談したり、入社日をどう調整するか相談したり、内定後も連絡を取りました。入社後にもフォローしてくれる予定があります。
エージェントから、内定者向けのイベントのような案内をもらったこともあります。その日は実家にいて参加できませんでしたが、内定後も関係が続くことはあるのだと感じました。
お世話になったエージェントには、できるだけ丁寧に返信しました。お願いされたレビューにも対応しました。
またすぐ転職するつもりはありませんが、今後のキャリアでまた関わる可能性はあります。何より、今回きちんと支えてもらった相手に対して、こちらも誠実に対応したいと思いました。
まとめ:内定承諾後は、余裕を持って逆算する
内定承諾から入社までにやったことをまとめると、こうなります。
-
就業規則を確認する
退職予告期間を確認し、いつまでに伝える必要があるかを見る。 -
有休消化も含めて入社日を決める
引き継ぎ期間と有休消化を両方見て、余裕を持った日程にする。 -
退職意思は決定事項として伝える
「検討しています」ではなく、「転職することを決めました」と明確に伝える。 -
引き継ぎ資料とタスクリストを作る
自分がいなくても業務が回る状態を目指す。 -
入社前の時間は、準備にも自分にも使う
書類や技術の予習だけでなく、家族・旅行・猫・自分の事業や学習にも時間を使う。
内定承諾後に大事なのは、勢いだけで進めないことでした。
退職は会社との調整があります。有休もあります。引き継ぎもあります。入社手続きもあります。だから、就業規則と有休残日数を確認し、余裕を持って入社日を決める。
そして、最初に転職の軸を決めていたことも大きかったです。自分の軸があると、退職交渉でも意思がぶれにくい。「この会社に行く」と決めた理由があるから、現職に対しても迷わず伝えられました。
まだ軸を整理していない人は、先に転職軸の記事も読んでみてください。内定後の判断も、かなりシンプルになります。
この記事で紹介している体験は2026年時点のものです。退職手続きや社会保険の取り扱いは会社・状況によって異なります。詳細は所属組織の就業規則や公的機関の案内を確認してください。