内定を承諾してから、2週間ほど「辞めます」と言えませんでした。
転職活動自体は順調に進んでいた。4社から内定が出て、行き先も決まっていた。あとは今の会社に伝えるだけという状態でした。でも、実際に口に出せるようになるまで、思っていたより時間がかかりました。
言い出せなかった理由は、「申し訳ない」という感覚だった
15年間、ずっとお世話になってきた上司がいます。怒鳴られたことはなかった。むしろ話を聞いてくれる人でした。「辞めます」と言ったときの顔を想像すると、なかなか踏み切れなかった。
「申し訳ない」という気持ちがあったのは確かです。プロジェクトの途中だったわけでもないし、タイミングとして極端に悪かったわけでもない。でも、15年いた場所を去ることへの罪悪感みたいなものが、どこかにありました。
内定の承諾期限が迫っていたことと、エージェントから「入社日の逆算を考えると、そろそろ伝えた方がいい」と言われたことが背中を押しました。
「辞めます」と言ったときの上司の反応
「少し相談があります」と声をかけて、1対1で話す時間をもらいました。
「転職することにしました」と伝えたとき、上司はしばらく黙っていました。驚いていたと思います。「そうか」と言ってから、「今決まっているのか」と聞かれました。「はい、承諾済みです」と答えました。
引き止めはありました。「もう少し待てないか」「条件は何か変えられるかもしれない」という話でした。でも、転職の理由は環境や条件だけではなく、「自分がどう働きたいか」という部分が大きかったので、丁重にお断りしました。「もう決めたことなので」という一言で、引き止めは長くは続きませんでした。
「わかった。残りの期間もよろしく頼む」と言ってもらえたことは、ありがたかったです。
退職日と有給消化の話
次の職場の入社日から逆算して、退職日を決める必要がありました。就業規則で退職の申し出は「1ヶ月前まで」と定められていたので、それを基準に動きました。
有給が残っていたので、最後の数週間は有給消化にしたいと伝えました。「引き継ぎをしっかりやってから」という条件で、概ね了承してもらいました。
引き継ぎのドキュメントを作るのに時間がかかりました。15年分の仕事をまとめるので、量としてはかなりありました。でもここをちゃんとやっておくと、後ろめたさが減ります。「やるべきことはやった」という感覚で最終日を迎えられた方が、自分の気持ちとしても整理がつきやすかった。
長くいた会社を辞めるとき、一番難しかったのは「切り出す」こと
退職交渉の内容そのものは、特に難しくなかったです。伝えてしまえば、あとは手続きの話が続くだけでした。
一番難しかったのは、最初の一言を言い出すことでした。
転職を決意してからも、「伝える」というステップは別のハードルです。特に長くいた職場だと、人間関係への申し訳なさが邪魔をする。でも、伝えてしまった後は、思ったより引きずりませんでした。「ああ、言えた」という感覚の方が大きかった。
エージェントから「退職交渉は早めに動いた方が、スケジュールに余裕が生まれる」とアドバイスをもらっていたのは、正しかったと思います。承諾してから伝えるまでが長くなるほど、自分が苦しくなるだけでした。
最終出社日を終えて思ったこと
最終日、特別なことはなかったです。デスクの荷物を片づけて、挨拶をして、退社しました。
15年間お世話になった会社に「ありがとうございました」と言えたのは、悪くない終わり方だったと思っています。引き継ぎもできた。最後まで仕事はした。それだけで、気持ちに整理がついた感じがありました。
転職活動のゴールは「内定をもらうこと」ではなく、「ちゃんと次の仕事に移ること」です。退職交渉まで含めて、転職活動でした。
退職交渉を振り返ってまとめると
長くいた会社の退職交渉で感じたことを整理すると、こういうことでした。
- 内定承諾後は早めに動く。時間を置くほど気持ちが重くなる
- 引き止めがあっても、決意が固ければ一言「もう決めたことなので」で済む
- 有給消化は「引き継ぎを終えてから」という条件で交渉しやすい
- 引き継ぎをちゃんとやると、最終日に後ろめたさが残らない
「辞めます」と言うまでが一番きつかった。言ってしまえば、あとはシンプルな手続きです。内定が出ているなら、早めに動くことをおすすめします。
この記事は2026年4月時点の情報を元に執筆しています。