なぜ転職したのか、と聞かれると答えに少し詰まります。
「キャリアアップのため」とか「成長できる環境を求めて」と言えばきれいに聞こえる。でも実際は、理由がひとつじゃなかった。仕事の話もあるし、生活の話もあるし、家族の話もある。それが全部絡み合っていたから、一言では整理しにくい。
だから順番に書きます。
凜ちゃんと、両親のそばにいたかった
転職を決断するにあたって、一番の軸にしていたのはワークライフバランスでした。
猫の凜ちゃんがいます。三毛猫です。出社していた時間、ずっと家にひとりにしてしまっていた。帰るとすごく甘えてくる。それが何年も続くと、「もっとそばにいてあげたい」という気持ちが積み重なっていきました。何かあったときにすぐ動ける状態でいたい、という思いもずっとあった。
両親も近くに住んでいます。年齢を重ねてきて、手術をしたり通院が増えてきた。父が急に体調を崩して倒れたことがあって、発見が遅れていたら危なかった、という状況になったこともある。そういうことが起きたとき、仕事に縛られていてすぐ動けない、という後悔だけはしたくなかった。
フルリモートで働けるなら、それが一番だと思っていました。
フルリモート・フレックス・副業OKを「Must」にした
転職活動を始めるにあたって、条件を整理しました。
絶対に譲れないもの(Must)は3つです。
- フルリモート(出社が前提の会社には応募しない)
- フレックスタイム(コアタイムなし、または最小限)
- 副業OK(ブログや個人開発を続けたい)
この3つを全部満たさない会社には、どんなに待遇が良くても応募しないと決めました。最初から軸を絞ることで、無駄な選考をなくせました。
サービス全体に関わる仕事がしたかった
前職のプリンタ会社では、バックエンドエンジニアとして働いていました。プリンタのサブスクサービスという意味ではプロダクトに関われていたはずなのに、どこか顧客から遠い感覚が続いていた。
サービスのフロントエンド部分は別の会社が担当していて、自分たちのコードがどう使われているか、どんなフィードバックが来ているかがつかみにくかった。ビジネス側との距離も遠く、提案してやり遂げようとした案件が、組織間のやり取りで立ち消えになることもあった。
「バックエンドからフロントエンド、インフラまで含めて、自分たちでサービス全体を動かしたい」という気持ちはずっとあった。数年にわたってそういう機会を求めてきたけれど、なかなか叶わなかった。
楽しみにしていたプロジェクトから外されたり、希望とはかけ離れた業務が増えたりしたことが重なって、「ここでは実現できない」と判断しました。
HR SaaSスタートアップを選んだ理由
最終的に選んだのは、HR系のSaaSスタートアップでした。
フルリモート・フレックス・副業OKの3条件をすべて満たしていた。バックエンドだけでなく、フロントやインフラも含めて、設計・開発・運用・QAまで自分たちで全部やるという環境だった。サービス全体に関われる、顧客に近い位置で価値を届けられる、という点が自分がずっとやりたかったことに近かった。
最後まで悩んだ別の候補もありました。医療系のSaaSで、フルリモート・フレックス・副業OKの条件はほぼ同じだった。ただ、年収は医療系の方が圧倒的に高かった。将来的にはHR SaaSも成果次第で追いつく・超える可能性はあると判断したけれど、現時点での差は無視できないくらいあった。
それでもHR SaaSを選んだのは、財務の安定性と、実際に話してみたときの働きやすさの感覚が自分の軸に合っていたから。最終的には、軸の1位にしていたワークライフバランスを優先した結果でした。
「なぜ転職したか」を一言で言うと
シンプルにまとめると、こういうことです。
- 凜ちゃんと家族のそばで、何かあればすぐ動ける状態で働きたかった
- 設計から運用まで、顧客に近い位置でサービス全体に関わりたかった
- フルリモートで副業もできる環境が必要だった
「成長したい」とか「挑戦したい」という話ではなく、「自分が毎日どういう状態で働きたいか」という話でした。転職の動機は、もっと地味で、もっと個人的なものでよかったんだと、今は思っています。
転職を考え始めたきっかけ
転職を意識し始めたのは、2020年ごろでした。
プライベートで色々なことが重なって、「自分はこのまま続けていいのか」という問いが出てきた時期でした。詳しくは書きませんが、大事なものを大事にできる人生にしたい、という気持ちが強くなったことは確かです。
転職エージェントに登録してみたこともありましたが、最初はあまり真剣ではなかった。メールが大量に来て、うまく使いこなせないまま時間だけが過ぎていきました。
本格的に動き出したのは、2024〜2025年ごろです。数年にわたって希望してきた働き方が実現されないまま、状況がさらに変わってきた。「今動かないと」という気持ちが固まってきました。
転職エージェントを通じて改めて見ると、条件を満たす会社が想像以上にあった。50社近い求人が見つかって、「こんなにあるなら動いてもいい」と思えたのも、後押しになりました。
転職の理由は、誰かに納得してもらう必要はないと思っています。「凜ちゃんと家族のそばで働きたかった」「サービス全体に関われる環境がほしかった」。それで十分でした。
この記事は2026年3月時点の情報を元に執筆しています。